今年のお会式のお説教師さんは
「藤枝 大慶寺副住職 大場唯央上人」です。
大泉寺のお会式で行うお説教は
日蓮宗伝統の高座説教形式で行います。
やはりお会式では日蓮聖人の祖伝が欠かせないと大泉寺では考えております。
高座説教は落語の原型とも言われており、文字通り高座の上で行います。
学問的な話よりも生活に密着した話を展開し、
誰でも聞きやすく共感できるお話を聞くことが出来ます。
また「祖伝」や「繰り弁」と呼ばれる日蓮聖人の御一代記を語るのも特徴で、
昔はこの繰り弁が庶民の楽しみでもありました。
そしてこの繰り弁は説教師の実力を測ることが出来るという点でも見逃すことが出来ません。
普通のお説教等は違い、様々なルールが決められております。
日蓮宗は鎌倉時代から続く宗派ですが、長い歴史の中でいかに解りやすく仏さまの教えを説くのか、
代々口伝で練られてきた素晴らしいものです。
今回お招きする御説教師さんは、藤枝市大慶寺副住職・大場唯央上人です。
大場上人はまだ三十代前半のとても若いお上人ですが、
高座説教の養成機関「日蓮宗布教院」を三回終了し大変優秀な成績を収めている方です。
宗門内でも次世代を担う若手として、
宗門運動での中心的活動や地元の布教師会で事務局長を務めるなど活動は多岐にわたっています。
さらには藤枝市の地域振興に熱心に取り組み、ボランティアで放置竹林の整備活動
観光面での地元の魅力再発見などに尽力し、
お寺の檀信徒だけでなく地域住民からの信頼も大変厚いお坊さんです。
その経験を活かした面白くもありがたいお話が聴くことができますので、私も楽しみにしております。
高座説教は楽しみ方を知っている人は知っているなりに、
知らない人には新たな仏教の魅力の発見になることと思います。
最近比較的若い人たちの間で御朱印集めなどがはやっていますが、
それと同じように高座説教やお会式には昔から在る粋な遊びの要素を多分に含んでおります。
他のお説教形式に比べ、話に御説教師さんの個性が強く出る為に、
同じ繰り弁なども御説教師さんごとに聞き比べて楽しむ猛者もいるそうです。
お寺・そしてお会式という行事を通じて、
高座説教や万灯行列など、昔から伝わる良い文化を地域に広め、
そして未来へと伝えてゆきたいと大泉寺では考えています。
ちなみに…
高座説教をお聞きするのに当山ではお布施などを頂いておりません。
ただお説教中に小さな籠が聴聞席に回ってくることがございます。
その場合はお説教師さんのお話に感動しただけ、少しでも構いませんのでお気持ちを小銭程度お入れ下さい。
こちらはお説教師さんへのお礼の一部とさせて頂きます。
粋な江戸の風習が今に息づく良い伝統だと思います。
もちろん大泉寺のお檀家さんでなくても、
ふだん日蓮宗とご縁のない方も自由にお説教を聞くことが出来ます。
ぜひ一度お越しくださり、仏さまのお心に触れてみてくださいませ。
大場唯央上人 プロフィール
藤枝市大慶寺副住職/日蓮宗声聞師・修法師・専任布教師/静岡県中部布教師会事務局長/NPO法人SACLABO理事/一般社団法人SACLABO理事/藤枝おんぱくディレクター
お寺の3男として生まれる。藤枝市東高校ー早稲田大学と進学をするも、二十歳を過ぎてからお坊さんになることを志す。
現在は地元に戻り地域と関わり合いながら護寺に勤める。
趣味はキャンプ
座右の銘は「至れり尽くせりは主体性を奪う」