昨日になりますが、法縁有志による任意団体・善学会総会でした。
議事の後は、講師に富士市で老人介護施設や立石薬局の経営者・立石美井さんを講師にお迎えし、「老人介護の現状」という演題で講義をして頂きました。
介護現場の問題点や今後の課題など、日本社会が今後もっと真剣に向き合わざるをえない問題点など、聞き応えのある講義でした。
副住職は今37歳ですが、他人事ではなく、私自身の祖父母も最期は介護が必要でした。
既に親世代の介護をしている友人もおります。
介護や認知症の話は、正直目を逸らしたい問題ではありますが、きちんと向かい合って社会で支えてゆかねばなりません。
講義の中で印象的だったのは、「サービス付き高齢者向け住宅」の建設に際し、地域住民の理解が得られず当初予定地では建設できなかった話。
各地で保育園や介護施設、火葬施設の建設に際し地域住民の反対で建設の中止の話もよく聞きますが、人が生きていく上で必要とされるもの、いつか自分も世話になるものでも、自分の目の届く範囲にあって欲しくないというのは個人のエゴです。
「四苦八苦」という言葉は仏教由来のもので、人が生きていく中で避けて通れない根源的な苦しみの事を言います。
『四苦』…生老病死の四つは生命そのまのの苦しみ。
『八苦』…
怨憎会苦…会いたくない人に会わなければいけない。
五蘊盛苦…世の中や人生が自分の思い通りにならない。
求不得苦…欲しいものが手に入らない。
愛別離苦…愛する人と別れなければならない。
これは社会の中で人と関わる上で生じる苦しみです。
今回の講義を聞きながら、この四苦八苦が頭に浮かびました。
もしかしたら建設反対派の方々は感じなくてもよい苦しみに喘いでいるのかもしれません。
反対派の意見も当人達にとっては切実かもしれませんが、聞いてみると「道が狭いから介護車両が入ると困る」など、お互い融通したり気にしなければ済む様な事ばかりのような気もします。
また介護する側のご家族や、介護される側の方々のフォローについて寺院でできる事のご提案を頂きました。
参考になります。
最後に自分が介護される側になるべくならなくて済む様に、頭と身体を動かす簡単なトレーニングを楽しく教えて頂きました。