日常お寺で多く問い合わせを頂くのが、お仏壇に関する質問です。
やはり皆様もご自身のご先祖様を大切にされている証拠だと思います。
よく質問されるのが、正しいお仏壇のまつり方についてです。
お仏壇とは
私たちを守って下さってる仏さま、ご先祖さまをおまつりする家庭信行の大切なよりどころです。
本家、分家、長男、次男に関係なく、各家庭におまつりいたしましょう。
お仏壇は本来ご本尊(大曼荼羅)をおまつりするところであり、寺院の本堂と区別するため各家庭のお仏壇を「御内仏(おないぶつ)」とも言います。
つまりお仏壇はお寺の本堂を小さくした空間であり、ご本尊をまつる事が基本となります。
ですから先祖の位牌が無い家でもお仏壇を置いておまつりしましょう。
ですからお位牌を安置する場合には、ご本尊が主・お位牌が従となるので、ご本尊を中心の一番高い位置に安置し、お位牌は脇壇の下に安置します。
またご本尊と共に日蓮宗では日蓮聖人像を安置します。
古いお仏壇を処分するとき、新しく購入した時はそれぞれお仏壇や御本尊の「お精抜き(閉眼供養)」「お精入れ(開眼供養)」を行わなければなりません。
必ず菩提寺にご相談ください。
お仏壇はその時限り使うものではありません。
お仏壇を購入する際には、極力流行り廃りのないデザインを選びましょう。
その方が代々末永く使えますし、御本尊やご先祖様をおまつりするのに相応しいものを選んでください。
下記の図を一例としますが、お仏壇のサイズやレイアウトによって変わる場合があります。
ご本尊とは
日蓮宗では大曼荼羅がご本尊となります。
大曼荼羅は仏教の世界を文字で表現したものです。
このご本尊は必ず菩提寺(檀家となるお寺)から譲って頂いたものにしましょう。
ご本尊は信仰の中心となる最も大切なものです。
仏壇を買ったときに付属してくるものは、お経のあがっていないただの印刷物ですので、お仏壇に奉っても意味がありません。
必ずお寺に相談し、開眼供養の済んだご本尊をおまつりするようにしましょう。
大泉寺では本堂におまつりされている、開山白蓮阿闍梨日興上人の御曼荼羅の縮小したものをお檀家さんにお譲り致しております。
お仏壇を置く場所
新築の場合は、なるべく設計時にお仏壇を置く場所について考慮しておきましょう。
① 家族が集まる部屋
② 広く明るい部屋・ただし直射日光は避けましょう
③ 仏壇の上に階段や棚がない場所
④ 仏壇の背後は壁
日常の注意点
① お仏壇を購入するときは必ず菩提寺にご相談下さい。
② 仏壇のある部屋は日頃から整理整頓を心がけましょう。
③ 毎朝家族の食事の前に、ご飯とお茶をお供えし、線香をお供えしましょう。
④ 頂き物などは、家族で食べる前に必ずお仏壇にもお供えして下さい。
⑤ 季節ごとに必ずお仏壇の掃除をしましょう。
⑥ もしご家族に不幸があった場合、中には神棚と同じく扉を閉めて白紙を貼る人もいますが、その時も仏壇の扉は閉めてはいけません。上記の通り、お仏壇はお寺の本堂と同じものです。故人が迷わずに霊山浄土へと旅立てるように、道しるべとなるご本尊を隠さないように気をつけて下さい。
いつも更新を気長に待ちながらHPを見せて頂いております。丁度当方も現在18年ぶりに仏壇の新調を考えており、今回ブログはとても参考になりました。ありがとうございます。浅草の仏壇通りを何軒か回りましたが価格デザイン共に折り合いのつくものが無く苦慮しております。仏壇というものは手作りしても構わないモノなのでしょうか?。また作る際に仏壇特有の注意点などはありますか?。
九番目の道化師様、コメントありがとうございます。
まず、お仏壇の自作に関しましては問題ありません。
特に木工技術をお持ちの方は、デザイン・素材など納得のゆくまで吟味できますので、私としてはむしろ推奨したいくらいです。
昔は建物に据え付けのお仏壇も多く、大工さんが作ったようなものも珍しくありませんでした。
もし自作なさる際には、菩提寺様とご相談の上、御本尊の奉安・開眼供養をなさるようお勧めいたします。
今後とも更新についても努力いたしますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
前略 大泉寺様
先日は貴寺の檀家ではない私にも適切なアドバイスをありがとうございました。
あやうく仏具店で、意味のない印刷物を購入するところでした…汗。
アドバイス頂いたとおり暫くぶりに菩提寺に連絡を取り、仏壇完成後の開眼法要をお願いする段取りが出来ました。
本当にありがとうございました。
さて菩提寺には口幅ったくて相談出来なかったのですが、仏壇からお位牌仏具迄の一揃えとなるとかなり費用がかかります。
仏壇製作、お位牌仏具の誂えまでを一区切りとして開眼法要をしていただいて、日蓮聖人像は後回しでも大丈夫なものでしょうか?。
お仏壇の準備が進んでいらっしゃるようで何よりですね。
本文にもございます通り「ご本尊を奉安するのが本義」です。
御本尊・大曼陀羅はよくご覧頂きますとお解り頂けると思いますが、
仏様や菩薩様、諸天善神のお名前が序列順に書かれています。
本堂の仏像などは御本尊の序列に従って安置されており、お曼荼羅の世界を立体化したものです。
極論を言ってしまいますと
「お曼荼羅さえあれば仏像は安置せずとも、お仏壇どころかお寺の本堂と同じ機能を備えてる」
といえます。
寺院などでも志有る若い僧侶が、新寺建立などする場合は予算が足りない為、御本尊と最低限の仏具だけでスタートすることもあります。
仏像仏具を揃えるという形以上に、仏様を自宅にお迎えする心構えと、仏様への信仰心が何よりも大切です。
ですから先ずは御本尊だけ奉安し、予算に応じて日蓮聖人像、その他木蓮花などをお揃えになればよろしいかと思います。
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